現代社会において、財産(銀行口座や証券、株券など)の管理はスマートフォンやパソコンでする時代になりました。交通機関や買い物、食事もモバイル決済が主流になりキャッシュレス化が進み、便利になったと実感できるようになりました。しかし、デジタル形式で保管していた財産は遺産相続の時に、資産状況やサブスクリプション契約の内容など実態を把握できずに相続人が途方に暮れる実態があるのをご存じでしょうか。「後見人の弁護士や司法書士に依頼すれば口座の照会ぐらい簡単にできるでしょ?」と思われている方は多いと思います。しかし、それは大きな間違いです。
全国の金融機関に対し、故人の口座を一括して把握する手続きは今のところないのです。口座の有無、残高は各金融機関に問い合わせするしかないのです。 ネット銀行が増えている現状で全く口座情報がわからない場合、見つからない可能性も有り、そもそも相続相談を受けた弁護士が第一ステップである「資産状況」が分からない事態となり相続が進まないなんてことも少なくないようです。そしてわからないまま10年経過すると国庫に入ってしまうので注意が必要です。※10年後であっても口座を発見するなどして請求手続きを申請すれば預金は返金されます。
では投資運用などを行っていた場合で、家族は全くその実態を把握していなかった場合はどうか…そんな時は、証券保管振替機構へ遺族が問い合わせて必要書類等提出すれば、調査することは可能です。
証券保管振替機構では、各証券会社からの情報を基に、誰がどこの証券会社にどこの株を持っているかなどの情報を管理しているため、該当すれば資産を把握する事ができます。しかし、ビットコインなど証券保管振替機構の制度には含まれていない場合もあり、「資産があるはずなのにどこに投資運用しているかわからない」と言う例もあるので注意が必要です。
前述したとおりデジタル遺産に関しては相続人がある程度把握していないと相続できない例があることをお伝えしました。デジタル遺産は生前の対策であることを忘れてはいけません。明日どうなるか分からないような時代なので、今すぐ行うべきだと思います。ここでは便利なサービスをご紹介いたします。
Apple「デジタル遺産プログラム」
故人が保管しているApple ID、それに紐づくクラウド上のデータに対して、管理連絡先を生前に指定することにより、発行されたアクセスキーで承認後にiCloudに保存された一部のデータにアクセスができるようになります。詳しくはホームページ等でご覧ください。
>> Apple公式サイト(外部リンク)
三井住友銀行「SMBCデジタルセーフティボックス」
生前に「受取人」を指定し、医療や介護、葬儀の考えや大切な遺品の処分方法等をメッセージで残すことができます。また、IDパスワード、暗証番号などのデジタル情報やインターネット上の契約なども登録することができ、銀行口座や保険、有価証券、不動産など、資産や契約内容を金融機関ごとに一覧で表示することもできます。有料サービスではありますが、これらの情報を登録して「受取人」に遺すことができる、言わば「電子遺言書」のようなサービスです。詳しくはホームページ等でご覧ください。
>> 三井住友銀行公式サイト(外部リンク)
日本においてデジタル遺産に関しては遅れており、知らないのであれば損してしまうのが実情です。大切な資産を守るためにも生前に対策を行う事が望ましいです。最近問い合わせが増えているのがスマートフォンのロック解除の相談です。iPhoneはパスワードを間違い続けると初期化されてしまうため大切な画像や資産関係の情報が消えてしまいます。現在(2024年2月時点)スマートフォンのパスワードの解除は不可能と言われています。
故人がサブスクリプション契約をしていた場合も、亡くなって自動解約にならないものがあるようです。これも生前に対策する必要があります。 今後デジタル遺産に関してマイナンバーと統合なども検討されているようなので、注意深く見守る必要があります。
総務省の発表では全国民のデジタル機器の保有(所持)率は、95%を超えています。近い将来には資産管理はもちろん、遺言書や契約書などの重要書類もすべてデジタル管理される可能性もあります。これからの時代に「デジタル遺品整理」が重要であることは容易に想像できます。
重要な情報を有するデジタル機器には、当然ながら厳重なセキュリティ対策がされていて、通常は所有者(故人)以外が操作することができず、大切な電子資産が遺されているにもかかわらず、IDやパスワードが判らず放置したり処分する場合も多いようです。
メモリーズには「IT部門」があり、ITに精通した技術者がIDやパスワードを解除したり、作動しなくなったパソコンも復旧し、遺されたデジタル資産などの電子情報を確認して頂くことができます。デジタル機器に遺された遺品の整理もメモリーズにお任せください。
関西エリア:大阪府、京都府、兵庫県、和歌山県、奈良県、滋賀県
南関東エリア:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県
中部エリア:愛知県、山梨県、静岡県、長野県、岐阜県、三重県
中国エリア:広島県、岡山県、山口県、鳥取県、島根県
四国エリア:香川県、徳島県、愛媛県、高知県
以上の25都府県(北部、山間部、離島など一部地域を除く)が、対応地域となります。