ある夏の日のちょっと怖い話

ある夏の暑い日の出来事…信じてもらえないかもしれませんがすべて実話です。その日、亡くなったご主人の部屋の遺品整理をしてほしいと、お婆ちゃん（故人の奥様）からご依頼があり、私を含む3人で現場に向かいました。すごく気さくなお婆ちゃんで、色々ご主人様との思い出話を聞かせてくれました。3人で手際よく作業が進み、3時間ぐらいで作業はすべて完了。集金を終えて帰ろうとした時です「今日は暑いところありがとうねぇ…」と、アイスクリームを頂戴しました…が、なぜか4つくれました。「今日は3人で作業したから3つでいいよ、お婆ちゃん」と言うと「何言ってるの？4人いたじゃない…あれ？1人いないね…あのちょっとぽっちゃりした可愛い男の子は？先に帰ったの？」
スタッフで顔を見合わせ「そんなわけないよね～」と、笑い飛ばしましたが、最後までお婆ちゃんは4人いたと言い張ります。とりあえずお礼の挨拶を済ませ、現場を後にしました。

その後、私たちは帰路につく前に「ご飯でも食べてから帰ろうか」と、国道沿いのファミレスで食事をすることにしました。席に着くと女性の店員さんが、水とメニューを持ってきました。「いらっしゃいませ、お決まりになられましたらボタンを押してください」と、テーブルにメニューと水を4つ置いていきました。「ちょっと…3人やけど…」「え？…もう一人、ぽっちゃりした方がいましたよね？トイレですか？？？」店員さんには、とりあえず3人でと納得してもらいましたが、3人共かなり憂鬱です…「マジか…」泣きそうになり、食事が喉を通りません。

遺品整理や特殊清掃は、亡くなられた方の部屋に入るのが仕事なので、幽霊や心霊現象とかを信じなくなっています。私自身も霊感などもありませんし、数多くの凄惨な現場でも見えたことは1度もありません。ただ…今回のことは、見えるよりも怖さを感じました…。その日から、家に入る前には奥さんに「お清めの塩」を振ってもらうようになりました…。