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孤独死現場で遺体に寄り添う犬


先日、大阪市淀川区で遺品整理を行いました。お部屋で孤独死をされてから1ヶ月経過で発見されたとの情報だったので、かなり覚悟を決めて現場へ駆けつけました。部屋に入ると、想像通りの「死臭」が充満していましたが、孤独死特有の臭いだけではありません…「獣臭」といって、ペット臭の臭いがもの凄かったのです。
このお宅では犬を飼っていらしたらしいのですが、飼い主が孤独死で亡くなってしまい、取り残された犬はしばらく家の中の食べ物で食いつないでいたようです。なので、家の中は犬の排便と尿が散乱していて、その臭いがもの凄く、死臭が押されてる感じでした。健気なことに、最期は飼い主の横で寄り添うように餓死していたと聞きました…。
作業は大変でしたが、掃除もフローリングにこびり付いた血液や体液と一緒に犬の排便もきれいに拭き取りをし、最後に消臭、除菌、消毒作業をして完了しました。

私も犬を飼っているので、このような現場は心が痛みます…。内閣府の「動物愛護に関する世論調査」によると、全国でペットを飼っている約25%が70歳以上の後期高齢者という報告があります。一人暮らしで、人との付き合いが苦手な方などペットを飼って寂しさを紛らす事も大事かと思いますが、自分が亡くなってしまった時の事も考えないといけません。
最近では、ペットと暮らす一人暮らしの高齢者をサポートする取り組みも始まっているようで、NPO法人「高齢者のペット飼育支援獣医師ネットワーク」は、不測の事態で高齢者がペットと一緒に暮らせなくなった場合に新しい飼い主を探したり、希望する高齢者の自宅に動物看護師などを定期的に派遣して、動物のケアを行っているそうです。 さらには、ペットが亡くなるまで預かり、飼い主に代わって生涯世話をしてくれる有料サービスもございます。また、遺言書を作成しておけば遺産の一部をペットの飼育費用に充てることもできます。 但し、いずれの場合も生前に対処しておく必要があります。つまり今回のように、突然飼い主が孤独死をして発見が遅れた場合には、愛犬や愛猫を保護することはできません…難しい問題です。

この記事を書いた人

横尾将臣

横尾 将臣
所属:メモリーズ株式会社 大阪本社
役職:代表取締役
資格:グリーフケアアドバイザー1級取得

遺品整理専門業者メモリーズ株式会社の創設者。創業から15年が経った今も、現場の最前線に立ち続けている生粋の遺品整理人。
遺品整理業界のパイオニアとして業界を牽引する一方で、若手育成にも尽力。それらの功績が認められ度々メディアなどに紹介されている。

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