遺品整理の理念を忘れてはいけない

先日、大阪市東淀川区のとある団地で遺品整理をさせて頂きました。ご依頼主は故人のご長男様で、岡山県から来られていました。その日私は2件の現場が入っていて、次の現場があるので慌しく作業に掛かりました。ご依頼者様は手際よく作業進める姿を見て「さすがプロですね」と声を掛けてくれました。私は時間通り進めるために、いつもよりナーバスになっていたのかもしれません…スタッフに対する指示もいつもより厳しくなっていました。

遺品整理は無事終了し、集金させて頂き「戸締りしますね」と、ご依頼者様に声を掛けました。当然、作業が終わったので、ご依頼者様も一緒に部屋を出られると思ったからです。するとご依頼者様が「いや、もうちょっと余韻を…思い出がいっぱいありましてね…」と目頭を押さえられました。
この時、私は物凄いショックを受けました。「遺品の整理」を、次の現場があるからとあまりにも事務的に終えてしまったからです。ご依頼主様に感謝して頂くという理念を忘れてしまっていました。 「すみません！」心の底から謝りました。すると「帰る時間が早くなって、それはそれでよかったのですよ」と、微笑みながらフォローして頂いたので余計に辛くなりました。
おそらくこの先、この出来事は私にとって忘れる事がないと思います。人はついつい忙しくなると肝心な事が抜けてしまいがちです。私にとっては数ある現場のひとつでも、ご依頼者様にとっては一生に一度の現場です…どんなに忙しくても、現場は１つ１つ大事にする。創業時に誓ったこの理念を絶対に忘れてはいけないと、改めて戒めた出来事でした。