排泄物の除去を嫌がっているようでは半人前

今回は戸建の遺品整理現場でのお話しです。ご依頼主は故人の姪御様で、遺品整理に立ち会われました。実は故人の叔母様は、晩年に認知症の症状がではじめ、知り合いの人に家の権利や財産を奪われたらしく、親族の方たちは怒りと失望で塞ぎこんでいると、姪御様は話しておられました。高齢になってくると正常な判断ができなくなることもあります、また認知症など患っていると、いとも簡単に財産を奪われる危険性があります。ご本人がその方を信頼しきっていると周りの意見を聞かなくなり、被害に遭うケースもあります。
高齢者を巻き込む犯罪は今に始まったことではありませんが、この仕事をしていると被害に遭われた方の現場を手伝うことがあります。先日も、大家さんが一人暮らしの認知症の方の財産を蝕み、行政が保護されたので、引越のお手伝いをしたこともありました。

さて遺品整理当日、私とスタッフの山田君（仮名）を含めた合計6名で作業に掛かりました。現場は戸建住宅3LDKの+屋根裏収納の全撤去です。私は山田君に脱衣場、浴室、トイレから片付けるよう指示し、私はリビングを片付け始めました。しばらくすると山田君が、私が手こずっていたリビングを手伝いに来ました。
「あれ、えらい早いやん。もう終わったん？」と尋ねると「お風呂とトイレの一部残っていますが、ほぼOKです！」と山田君が答えました。やがてリビングの片付けも終わり、山田君は2階の手伝いに行きました。私はやり残した所がないかチェックしていると、一階の浴槽の方から嫌な臭いがしてきます…。浴室に入ると、タイルの上にパリパリに乾いた大量の排泄物が敷き詰められており、目が点に。 トイレも同様、私の顔は半笑いに…「一部残ってるって、○○○かよ！」心の中で突っ込みました。
「山田～!!指示された所は責任を持ってやらなあかんやろ！」厳しく叱責しますが…なぜか準備万端で私が排泄物を取ることに…。実は、ご高齢者の方や認知症を患っている方の遺品整理をする場合、排泄物が放置されていることは珍しくありません。それを嫌がっているようでは、いつまでたっても半人前です。そんな者に任せられません…と同時に、汚物を取り、クリーニングを行い、消臭をした後のご依頼主様の感動する声を聞きたいのです。とはいえパリパリなのに臭いは強烈で、私のやる気と格闘します。ほどなくして、浴槽とトイレは見違えるようにに綺麗になりました。

さて、ここからはメモリーズが得意とする除菌消臭です。特殊な消臭液を噴霧し、オゾン消臭を行います。このオゾン消臭は臭いがなくなる効果もありますが、その家の持っている独特に臭いや、湿気などによるカビ臭など色々な臭いがリフレッシュされます。臭いがなくなるだけで気分が変わるのだと本当に実感できます。もちろん姪御様も感動されていました。翌日、ご両親からも感謝の言葉を頂きました。 お風呂とトイレのある意味サプライズも、作業金額は変わりません。喜んでもらえてスタッフ一同感謝です。ちなみに、この後に山田君は退職しました。