冬場とはまるで違う?
真夏の特殊清掃が過酷な理由


気温が上昇する夏場に特殊清掃のご依頼はピークを迎え、過酷で凄惨な現場が多くなります。
なぜ季節や気温が関係するのか…気を付けるべき注意点などを含め解説します。

凄惨な孤独死現場

真夏の特殊清掃が過酷な理由

まず最初に、特殊清掃のご依頼のほとんどが孤独死現場であるということ。つまり、食品関係をイメージして頂くと分かりやすいと思いますが、夏場気温が上昇するとご遺体の腐敗の進行は早まります。当然、我々人も生き物ですから、生命活動が停止して肉体が死を迎えると、そこから先は腐敗の一途を辿りますが、同じ「死後1週間」でも気温によってまるで違ってきます。孤独死や特殊清掃の依頼が夏場にかけて増えるのは、この為です。

熱中症などで亡くなる母数が増える場合もありますが、特殊清掃が必要となる現場が増えるという方が適切かもしれません。冬場であっても、暖房器具をつけたまま、或いはコタツに下半身を入れて亡くなっていたり、ヒートショックでお湯を張った状態の浴槽で亡くなるなど、腐敗の進行が速くなったり、状態が悪くなるケースもあります。しかし夏場に関してはそのような状況下で無くとも、常時気温が高い為、自然と腐敗の進行は速くなります。

体液などが付着した物の撤去

状況によって変わる料金の仕組み

状況によりますが、特殊清掃だけにフォーカスすると、大きくこの3段階に分られます。
① 体液などが付着した物の撤去
② 体液が付着した箇所の洗浄
③ 消毒、消臭(部分)

完全に消臭をする必要がある場合は、荷物の全撤去や内装撤去、広範囲の洗浄作業も入る為、料金や施工期間も大きく変わります。具体的には、和室の布団の上で亡くなっていた場合、布団と畳の撤去、畳撤去後の床面洗浄のような流れになります。

これが洋室のベッドの上であれば、ベッドマット、ベッド本体を撤去する必要があり、作業人数が増えて人件費が高くなってしまいます。また部屋の壁際や、部屋を跨って亡くなっている現場では、壁に体液が浸透していたり、部屋の敷居の下まで体液が入り込む事になり、より複雑な施工技術が必要となる為、料金も上がるケースが多いです。

体液を除去する特殊清掃

孤独死は早期発見が重要

逆に発見が早く体液があまり出ていない場合は、軽度の特殊清掃だけで済むので、季節に関係なく料金は大幅に下がります。
実際にあった特殊清掃現場で、軽度の施工で済んだケースもあります。それは女性の単身高齢者のお宅で、デイサービスのスタッフの方が朝のお迎え時に異変に気づき警察に通報。前日の夕方から夜にかけての時間帯に亡くなられたようですが、発見が早かった為に失禁程度の汚れで収まっていた…という案件がありました。

こちらは遺品整理と併せてご依頼を頂いた為、料金は通常の整理料金と殆ど変わらず対応する事が出来ました。亡くなった状況によっては早急に作業を行なう必要がない為、時間をかけて業者選びを慎重にすることが出来ます。とにかく孤独死現場の場合は、いかに早期発見できるかが重要なポイントです。

まとめ


人は必ずいつか亡くなります。病院のベッドの上なのか、部屋の中なのか、誰かと一緒に居る時か、一人の時か、その状況は自身では選べません。孤独死自体は誰しも起こり得ます。
問題なのは発見が遅れて腐敗が進行してしまい、人としての尊厳を保てなくなる事です。ご遺体を一刻も早く発見する。そのために、地域コミニュティの活性化や、見守りサービスの普及、そういった行政や民間のサービスを積極的に利用することが求められます。

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