何度も繰り返される同じような孤独死現場

今日の特殊清掃も過酷な現場でした。ワンルームで孤独死され、発見が遅れてしまい、異臭に気付いたご近所の方から通報されたとの事でした。故人は病気がちだったとご遺族様から聞きました。そして、現場を見て残念な気持ちが湧いてきました。
足の踏み場もないほど溢れるゴミと、汚れたまま脱ぎ散らかされた衣服…インスタント食品の空容器、酒の空き瓶、タバコの吸い殻、大量の内服薬…そして、部屋のあちこちに食べ物のカスが散乱し、数百匹のコバエ、ゴキブリが発生。死臭とは異なる独特の臭い…今回も何度も繰り返し見ている、同じような孤独死現場。 「生きているうちに何とかできなかったのか！」と思いつつも、悲しんでおられるご遺族様には言えません。それぞれに事情があるんでしょう…でも、亡くなってからでは遅いのです。

病気なのか身体的か、あるいは精神的なことなのか分かりませんが、ゴミが出せなくなってしまう人は意外と多いのです。それがきっかけになって、家が汚れているのが恥ずかしいので人を寄せ付けないように引きこもってしまうのです。デリケートな問題で解決しにくいのが現状ですが、近隣の方と行政の方、民生委員の方などが今、真剣に向かい合っている問題です。このような現場を見るたび、私にはもっと救える人がたくさんいるんじゃないかと、心からそう思っています。