孤独死現場にあったのは多量の精神安定剤

一人暮らしをされていた女性の方が、残念ながら孤独死されました…私と同い年です。警察の司法解剖の報告では、死後1ヶ月以上とのこと。連絡を受け、メモリーズで特殊清掃をすることになり、現場に向かいました。部屋に入るとベットにはどす黒い人の形がくっきり残っています。ベットの周りには何やら詩のようなメモが散乱していました。恋心を書いたもの、傷心を書いたもの、物や花、街に喩えて綴られていました。私も音楽をしているのでその感性に、心動かされました。

残された遺品を整理する為に引き出しなど開けていくと、あらゆるところから精神安定剤が多量に出てきました。そしてハガキには故人の体調を心配する内容が、多々ありました。 おそらく精神的に辛かったんだろうなと拝察できます。社会から疎外されたような内容の詩がたくさん出てきました。いろんな事情があり、不安定な生活を送り、不安な日々を過ごしている人が多いんだなと心から思います。

私は母から「戦時中は近所のみんなで助け合い、飢えをしのいだ。祖母は自分は食べなくてても、隣の子供に食事を与え、励ましあった」と訊かされました。時代は変わり、自分自身が生きて行くことが精一杯となり、他人はおろか、 自分の親や子にさえも、構う事が困難な時代になったように思います…その代償はあまりにも大きすぎます。