強烈な特殊清掃の現場

温かくなってきて、作業中は汗ばむようになりました。空が真っ青で、清々しい気分になります。ただ我々は「温かくなる＝孤立死現場が増える」という方程式が染み付いています。先日も死後数週間の強烈な現場を行いました。私は長年の経験から、臭いで死後経過日数が大体分かります。この現場はおそらく死後10日～2週間程度でしょう…臭いがピークの状態で作業に入りました。近隣の方も数時間我慢すれば、この臭いから解放されるという希望の眼差しで遠巻きに作業を見守ります。

ここまで死臭がきついと、我々スタッフの衣類や髪の毛、鼻の穴に臭いが染み付き、部屋外に出ても、帰社しても臭いが消えません。こんな現場に行って「いよいよ夏が来るんだな…」と季節を感じてしまう職業なのです。孤立死は誰かが早く気づいて、腐敗が進まないようにしてあげたいものです。凄惨な現場は、近隣の方や家族の方も心に深い傷を負ってしまいます。周りに一人暮らしの高齢者がいる方と言っても、ほとんどの人が当てはまるでしょうが、 異変には早く気づいてあげれるようにしっかり見守ってくださいね。